昨年参加したまつえ市民大学の水彩講座の際、
先生が
「ベタっと塗り絵にならないように」とおっしゃいました。
ちょっとひっかかりました(笑)
男性で、おそらく60代で、長らく水彩を描いて
いらっしゃる先生なので、
今の塗り絵をご存じないのでしょうね。
(その先生はとても良い先生で、大好きです。
誹謗、中傷するつもりはありません。誤解なきよう)
同様の言葉はよく耳にする気がします。
そもそも、「塗り絵」の定義ってなんでしょうね?
下絵を自分で描かなければ「塗り絵」と言われるのかな。
でも、Beltaは自分で描いた絵から下絵を起こし、
自分で塗るわけですが、これも塗り絵ですよね。
そして、以前参加した色鉛筆画のワークショップでは、
下絵が印刷してあり、それを塗りました。
でも誰も「塗り絵」とは言わなかったんですよね。
本にしてもそう。
「技法書」に下絵がついていても、
塗り絵といわないですね。
とすると、
「形を自分で描かなければ塗り絵である」という定義は
成り立たないわけです。
では、最初の先生の言葉にあるように
「べたっと」塗ったら、塗り絵なのでしょうか?
今、塗り絵やコロリアージュをされている方、
べたっと塗る方なんていらっしゃいません。
陰影やグラデーションをつけて、
色も混色で作っています。
では、「べたっと」塗ることが塗り絵ではないとなります。
では色鉛筆で塗れば、塗り絵でしょうか?
Beltaのこの絵↓も、「すてきな塗り絵ですね」
と言われたことがありますから。
© Belta(Mayumi Wakabayashi)
けど、色鉛筆で描かれた作品すべてが塗り絵と
呼ばれているわけでもないですよね。
それに塗り絵の中には、色鉛筆以外の画材を
使っている方もたくさんいらっしゃいます。
じゃ、「下絵」「べたっと」「色鉛筆」の3つが
同時に存在すれば、塗り絵なのでしょうか?
他の人が描いた「下絵」を、「色鉛筆」で
「べたっと」塗ったものが「塗り絵」
いえいえ、今時そんなことをするのは、
小さなお子さんくらいです。
だから「『大人の』塗り絵」とわざわざ「大人」を
付けているのでしょう。
いずれにしても、
「塗り絵」という言葉をマイナスイメージで使わないで欲しい。
他の人がお題として提案した「形」を
「色」と「塗り方」で表現しているものなので。
それに、Office Beltaの塗り絵教室は、
本格的な絵画手法の体験の場としても位置づけていますから。
塗り絵をされている方と、
そうでない方(特に自分で描く人)との
塗り絵のイメージのギャップが大きいのかな。
いつか「塗り絵」という言葉から、
マイナスイメージが消えることを切に願うばかりです。
それから、
「形を描く」ことも確かに楽しいことなので、
今年は「描く」教室もどんどんやっていきたいな。
描きたい人は描く、
塗りたい人は塗る、
どちらも楽しいし、
お好きなことを楽しめばいいですよね。
「素敵なぬりえになる! ぬりえ彩色レッスン帖