【教室】難易度について
9月のモチーフはワイングラス。
「難しいですか?」というご質問をいただきました。
私としては、そんなに難しいモチーフではないけれど、
赤ワインをなみなみ入れたり、
背景をクロスハッチングで塗ったりすると、
多少難易度アップ、と思っています。
でも、ちょうど良い機会だと思いますので、
「難易度」について考えてみたいと思います。
色鉛筆のテクニックで、
私が一番難しいと感じているのは、
大きな面積をムラ無く塗ること。
しかも混色で、微妙なグラデーションをつけて。
例えば、この左の空は緊張します。
© Belta(Mayumi Wakabayashi)2020
2色で丁寧にグラデーションを作っていきます。
途中、濃い線が入ってしまうと、
それに合わせて全体をさらに濃く塗ることになります。
2層重ねるつもりが3層になり、4層になり、
だんだん色が濃くなる(笑)
ただ、空の場合、横方向にムラができたら、
「風が吹いている」ことにしちゃいます(笑)
同じことは香水瓶やワイングラスにも言えるのですが、
どちらも面積が小さいので、空よりもずっと楽です。
© Belta(Mayumi Wakabayashi)2020
とにかく面積は難易度に影響します。
他にも難易度に影響するのは、線。
できるだけ線は減らしたいのですが、
きれいな線が描けるようになると、
画面が格段にしまり、色もきれいに発色しますから、
練習をして欲しいとも思います。
とはいうものの、塗り絵の場合、
輪郭線に沿って、少しずつなでるように描けば
輪郭線が助けてくれます。
同じ筆圧でぐるっと描かないこと。
(無防備な感じの線になりますからね)
直線でも曲線でも、長い線が多いと難易度アップだと思います。
余談ですが、線になれて、
1本の線の中で強弱をつけられるようになると、かっこよさ度がアップします。
塗り絵の難易度に直接関わるのは以上の2点かな。
色鉛筆のテクニック以外では、
自由度が高いと難しく感じる人がいらっしゃいます。
© Belta(Mayumi Wakabayashi)2020
ですが、逆に自由度が高い方が楽、
という方もいらっしゃますので、これは一概にはいえないかも。
それに教室では、数パターンの見本をご用意しますので、
まったくゼロから自由に描くということはないです。
教室では、難しいと感じやすいものは、
やさしくわかりやすい形にしたり、
事前に練習をしていただいたりして、
できるだけハードルを下げています。
そうやって一度体験すると、
次に同じことをするときに、
ずっと楽にできるようになりますもんね。
大切なのは、
自分で「難しそう」と壁を作っちゃわないこと。
作品を作っていくなかで、
「前は難しそうに感じたけれど、今はそうでもない」を楽しんでいただくといいな。