【本】ぼくには数字が風景に見える

昨日お知らせした本です。

「ぼくには数字が風景に見える」

昨日の記事にもちらっと書きましたが、
Beltaはおそらく共感覚を持っています。

「共感覚」ってご存じでしょうか?

音を聴いて色が浮かぶ、
数字を見て手触りを感じる、
とうように、本来の感覚とは違う感覚が瞬時に働くことです。

Beltaはそんなに強くはないのですが、
音や言葉や数字や時間に、質感や形や色が付いています。

そんな共感覚のことを調べたくて、
手にとった一冊が
「ぼくには数字が風景に見える」でした。

この本の著者は、ダニエル・タメット。
サヴァン症候群でアスペルガー症候群で共感覚の持ち主。
数学と言語の天才です。

具体的には、映画「レインマン」で
ダスティン・ホフマンが演じたレイモンドの能力を
思い出してください。

一瞬でトランプの数字を覚えたり、
数百年先のカレンダーの曜日を言い当てたりしてましたよね。
ダニエルもそれは得意です。
そして円周率の暗唱記録も持っています。

彼らは、共感覚を使って記憶をしているのです。

ただし、レイモンドは自分で生活ができませんでしたが、
ダニエルは、言語を教える才能を使い、webサイトを立ち上げ、
パートナーと静かに暮らしています。

この本は、子どもの頃から今に至るまでの道のりを、
ダニエルが淡々と語っています。

アスペルガー症候群で自閉症スペクトラムについては、
Beltaは正確に記述する自信がないので、
Wikipedia等で調べていただくとして、
簡単に言うと、人とのコミュニケーションが非常に苦手で、
親の立場から言うと「育てにくい」子どもだと言えます。

9人兄弟の一番上として生まれたそんなダニエルを
両親は非常に愛情を持って育てます。

ゲイであり、とても好きになった人に会いに行くことを告げたときも、
それはまったく問題ではないし、愛し愛される相手と出会えることを
願っていると言いました。
しばらくの沈黙の後ではありましたが。

人と違うことでいじめられることもあった学生生活を終え、
リトアニアへボランティアとして出かけたころから、
一つずつ才能を開花させていきます。

苦手な人間関係や自分の感情に真摯に向き合い、
一つ一つをとてもまじめに考えていく姿は感動的です。

「友情はひらひらと飛ぶ美しくはかない蝶に似ている。
つかもうとすれば死んでしまう」

そしてパートナーに巡り合います。

彼の天才ぶりもすばらしいのですが、
そんな姿にBeltaは胸を打たれました。

全編に優しさがあふれる文章です。
レインマンのモデルとなったキム・ピークと会うシーン、
本書を締めくくる最後の文章に彼の人柄が
よく現れていると思います。

共感覚について調べるつもりで読み始めた本ですが、
思いもよらない感動を受けとった本でした。

※キム・ピーク氏は2009年12月23日 心臓発作により死去。
享年58歳。

ダニエル・タメット氏のオフィシャルサイト
ブログにキム・ピーク氏へのトリビュート記事を書いてらっしゃいます。

彼のドキュメンタリー番組がDVDになっています。

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レインマン

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