「ぼくら人間について、
大地が万巻の書より多くを教える。
理由は、大地が人間に抵抗するがためだ」
堀口大學の美しい訳文で始まる
サン=テグジュペリの
「人間の土地」
サン=テグジュペリというと、
「星の王子さま」がすぐに思い浮かびますが、
ぜひ読んで欲しいのがこの作品。
職業飛行士としてスタートしたころ、
勇敢な僚友達の思い出、
サハラ砂漠に遭難、生還したこと(星の王子さまと関連あり)
などなど、
内省的な8つのエピソードが、
人間の威厳、勇気、精神の気高さを語ります。
宮崎駿氏が、この本に大きな影響を受けたことは有名で、
文庫本のカバー絵と解説を提供しています。
今回、読み直してみて、ふと思いだしたのは、
「天空の城ラピュタ」のパズーのお父さん。
竜の巣で、雷に翻弄されるパズーを導くシーンが
印象的ですよね。
あのパズーのお父さん、
この作品がモデルではないかしら?
さて、序文の締めくくりの文章をご紹介します。
「努めなればならないのは、
自分を完成することだ。
試みなければならないのは、
山野のあいだに、
ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと
心を通じ合うことだ」