フェルメールの絵を「色」から観てみました。
よく言われるように、大きな特徴は「ブルー」
「真珠の耳飾りの少女」別名、「青いターバンの少女」や、
「牛乳を注ぐ女」に代表されるように、
とても美しいブルーが印象的です。
深い味わいこのブルーは、フェルメールの名を取って、
フェルメールブルーと言われています。
この美しい色の絵の具を作り出す原料は、ラピスラズリ(瑠璃)。
アフガニスタン由来の貴重な鉱物です。
「天空の破片」と称されるほど。
ラピスラズリは、アフガニスタンから、
地中海を越えてヨーロッパにやってきます。
海(マリン)を越えて(ウルトラ)やってくるこの石を使って作られるので、
「ウルトラマリンブルー」と名付けられました。
17世紀当時、ラピスラズリは金よりも高価でしたから、
画家達は聖母マリアのマントなどの
限られたものしか使いませんでした。
その絵の具を、フェルメールは遠慮無く使って絵を描くのです。
なんと、ドレスの下地にまで。
当時としては常識はずれの使い方です。
自分の「美」を追求するあまり、のことなんでしょうね。
フェルメールが亡くなったとき、
多額の借金があったそうですが、
うなづけますね。
でも、そのおかげで、
今、こんなに美しい絵を観ることができるんですものね。
ちなみに、JIS慣用色名では、
瑠璃(ラピスラズリ)とウルトラマリンブルーは、
別の色として扱われています。
RGBは、下記の通り。
瑠璃色(ラピスラズリ) 52 81 164
ウルトラマリンブルーは、65 79 163
きわめて近い、よく似た二つの色。
↓画面では判別が難しいですね。