「鏝絵(こてえ)」ってご存知ですか?
知らない?普通はそうですね。
Beltaも友人のまちなみ探偵団 福間祐子さんに教わるまでは、
ぜ~んぜん、知りませんでしたから。
鏝絵は、古い民家や土蔵の壁に見ることができます。
ものすご~く平たく言うと、
白い漆喰の壁のレリーフのような竜や蓮などの縁起物(?)の装飾です。
これ↓
(『鏝なみはいけん』からお借りしました)
おぉ、すごい、双竜だ。
見たこと、ないかな?
これは、左官さんが、その道具、『鏝』を使って、
漆喰を盛り上げて作られたものなんです。
実は、島根県の西部、石見地方と呼ばれる地域出身の左官さんは、
その高度な技術から「石州左官」と呼ばれ、
近代日本の建築を支えてきたんです。
これには、背景があります。
産業が少ない石見地方は、どうしても出稼ぎに頼らざるを得ません。
出稼ぎで家族を養うほど稼ぐためには、『腕』が必要。
『腕』がよければ、思うように稼げます。
だから、石州左官は腕を磨くことに専念した、というわけなんです。
そして、腕と稼ぎを持って郷里に帰ったときには、
寺社に奉納したり、民家を飾ったりしたのです。
それまでの苦労を内に秘め、
誇らしさや、感謝の気持で、晴れ晴れと作られたんでしょうね。
その鏝絵がTVで紹介されます。
■「にっぽんの底力 いよっ!日本一「島根県」
放送局 :NHK総合1
放送日時:2月3日(日)10:05~10:50
放送内容:
左官や大工の数・日本一という「職人の宝庫」島根県。
左官が作った鏝絵は一種の芸術作品。
また、一つ10万円という高級そろばんを生み出す職人技も紹介されます。
■建国記念日特集「日本美ナンダコリャこれくしょん」
放送局 : NHKハイビジョンch
放送日時: 2月11日(月・祝) 20:00~22:00
放送内容:
古来、日本の美の世界には、折り目正しい美を作り出す正統派がいる一方で、
思わず「ナンダコリャ!?」と言いたくなるような作品世界を作り出す異端の
アーティスト=奇才たちがいた。
美の見方・あり方は一つじゃないというユニークな見功者たちをスタジオに招き、
「美術」、「建築」、「工芸」の3つのジャンルに分けた「ナンダコリャこれくしょん」を
見ながら語り合い「ナンダコリャ」ナンバー1を選んでいきます。
番組の最後に石見銀山周辺にある鏝絵のうち、西往寺の「双龍」、「安珍清姫」
に焦点を当て、その強烈ともいえる作品が紹介されます。
紹介作品:
美 術 : 伊藤若冲「鳥獣花木図屏風」、曾我蕭白「群仙図屏風」、
副島種臣「帰雲飛雨」、作者不詳「針聞図」、岸田劉生「野童女」、
黒木半之助「ハイカラノボーヤ」etc
建 築 : 日光東照宮陽明門、東大寺大仏殿
目黒雅叙園、妙喜庵待庵、三楽亭、耕三寺
工 芸 : 渡蟹水盤、円空の木っ端仏、
日本橋三越・天女、活人形、根付、鏝絵etc
出演者 : いとうせいこう(作家)、山下裕二(美術史家)、坂田明(ミュージシャン)、
美保純(女優)、荒俣宏(作家)etc
まちなみ探偵団 福間祐子さんは、
鏝絵ハンターに魅せられたまちなみウォッチャー。
荒俣宏さんを鏝絵にご案内されたこともあるんですよ。
とっても魅力的な女性です。
鏝絵については、
福間祐子が愛する“鏝絵”ですけぇ
をごらんください。