【絵を描く暮らし】絵の上手下手?
いつも思うのですが、
イラストが上達するコツは
「上手下手」にこだわらないこと。
そもそも「上手下手」って何でしょうね?
私の経験では、
「モデルにそっくりに描く」ことではないかと。
要は「リアルに描く」と上手、と評価する方が多いようです。
確かにそこに生きているように描けたら、それは上手だと思います。
でも「生きているように描く」ことと「モデルそっくりに描く」は
別物ではないかしら。
「モデルそっくりに描く」ことが素晴らしいなら、
もう絵の存在意義はなく、写真を撮ればいいわけで。
なので、リアルに描く=上手 という考え方は忘れて欲しいなぁ。
もちろん、モデルをきちんと描けるデッサン力は、
ないよりある方がいい。
ですが、絵はそれだけじゃないわけで。
たとえば、私はセザンヌの絵が好きなのですが、
山田五郎さんに言わせると「下手」なんですよね。
ルターの絵は遠近法がおかしいけれど、
すごくいい!
私は絵やイラストは「味わい」が重要と思っています。
これを教わったのは、学生時代の美術の時間でした。
「何かを使って、パターンをデザインする」というテーマで、
1つのものを6こ並べます。
私が最初に提出したのは、こんなのを6こ並べました。
これ、とても良い評価をもらったんです。
実は短時間にささっと描いたものだったので、
もっと時間をかけて丁寧に描こうと思って
描いたのがこんな感じ。
図鑑を調べて、すごくリアルに描きました。
同様に6こ並べました。
絶対に良い評価だろうとわくわくしながら提出したら、
評価はひどいものでした。
このとき、気がついたのです。
写実的に描くばかりが良いわけじゃない。
なので、みなさんも
リアルに描くこと「だけ」にこだわらないでくださいね。
勘違いして欲しくないのは、
リアルに描くことを否定していないです。
リアルに描くことだけにこだわって、
自分の作品を評価してしまうと、
ご自分の可能性を狭くしてしまうんじゃないかな?
ってことです。
私は絵やイラストは「味わい」が大切だと思っています。
作品を見た人の気持ちが動く、のが重要。
リアルでも気持ちが動かない絵もあれば、
全然リアルでなくても気持ちが動く絵もあります。
それを気にする方がよくない?
その人ならではの線、発想、色、レイアウトを
大切にしたいと思っています。
余談ですが、
私は、人にインスピレーションを与えること、を目指しています。
それがうまくいった絵は良い絵、とぃうわけです。
なかなか難しいことですけどね。