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【色鉛筆情報】芯が柔らかい色鉛筆

3月 1st, 2021 Posted in colored pencils

■ オンラインで色鉛筆の塗り絵教室をしています。
パーツを塗りつぶすだけの塗り絵ではなく、
将来絵を描くときにも役立つ内容を織り込んでいます。

3月1日(月)13:00~15:00(桜と桜餅)
3月7日(日)14:00~16:00(桜と桜餅)
3月8日(月)13:00~15:00(桜と桜餅)
3月17日(水)19:00~21:00(桜と桜餅)
3月18日(木)14:00~16:00(基礎)

詳細は、下記のリンクから。
【教室】3月の教室のお知らせ
【教室】3月の基礎教室

ネットショップではなくお振り込みでもお申し込みできます。
ネットショップでなくてもご利用できます


Instagramで

「芯が柔らかい色鉛筆を教えて欲しい。
色数はたくさんある方がいいですか?」

というご質問をいただきました。

せっかくですので、みなさまにもシェアします。

このブログでも何回か似たご質問についてお答えしていますが、
いかんせん、古い記事は探しにくいですよね。

久しぶりに私の考えをご紹介します。

ただし、芯が硬いからダメ、児童用の色鉛筆がダメ、というわけではないです。
こういうものは、自分が気に入ったものが一番ですから、
試し描きをして好みを見つけてくださいね。

カンタンに試し描きができない環境の方は
(島根県も試し描きはほぼできません)
こういうデータが役立つかと。

記事が長くなるので、まず結論から。

理由を知りたい方は続きを読んでくださいね。

● 私の結論

ホルベイン36色セットかポリクロモス36色セットがオススメ。
特に初心者の方はホルベインが発色しやすいし、
色構成が良いので買い足す必要がなくオススメ。

ポリクロモス36色セットは数色買い足すといい。
買い足すと良いと私が思っている色はこちら

ホルベインより細かいものが描きやすいく、
透明感のある発色が魅力的。
ただし、筆圧が弱い方は発色が弱くなります。

色鉛筆の選び方は人それぞれ重視するものが違うと思います。
色、塗りやすさ、値段、手に入りやすさ、補充しやすさ、持ちやすさなど
いろいろあると思います。

すごく好きな色だけど補充がしづらいと困る人もいらっしゃるし、
補充しづらくても、とにかく色重視、という方もらっしゃるでしょう。

描きたいものによっても、必要な色は違います。

ですので、色については私の絵が基準です。
私が描いているような絵を描くための色、と思ってください。

では具体的に。


1.芯の硬さについて

水彩色鉛筆と油性色鉛筆では、水彩色鉛筆の方が芯が硬い傾向です。

水に溶かすために界面活性剤が入っていることもあり、
顔料が油性の色鉛筆より少ないので、
油性の色鉛筆より色が薄い、という印象です。

また、ファーバーカステルの赤缶のようなアカデミー用の色鉛筆は、
子どもが使っても芯が折れないようやはり硬めで、色が薄いものが多いです。

 

 

一般的に、プロフェッショナル用の油性色鉛筆は、
芯が柔らかいため、紙に色が乗りやすいです。

紙に色が乗る、ということは強い色で発色します。
つまり鮮やかに感じます。

ただし、芯が柔らかいと、細かいものを描く(塗る)とき、
つぶれやすい傾向があります。

私が柔らかいと感じる色鉛筆は、
ホルベイン、カリスマカラー、ダーウェントのカラーソフト、ヴァンゴッホです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

絵筆 『ヴァンゴッホ油性色鉛筆36色セット』 VAN GOGH ヴァンゴッホ
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硬いと感じる色鉛筆は、
ダーウェントアーチスト、カランダッシュパブロ、三菱ユニ、トンボの色辞典

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ダーウェント アーチスト カラーペンシル 36色セット
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大きな面積は柔らかい色鉛筆で塗り、
細かいところは硬い色鉛筆で塗る、という使い方もできます。

私はポリクロモス→ホルベイン→ポリクロモスという順に重ねて使うコトも多いです。

また、芯が硬い方が繊細なグラデーションを作りやすいです。


2.手に入りやすさ、補充のしやすさ

店頭で買う場合、
おそらく色辞典、三菱ユニ、次にホルベイン、カリスマカラー、ポリクロモスが
手に入れやすいと思います。

通販でしたら、
ダーウェントやヴァンゴッホ、パブロも買うことができます。

オークション、フリマアプリを使う手もありますが、
扱いが悪く、中で芯が折れていることがちょっと心配。

正規の画材屋さんでのご購入がお勧めです。


3.発色について

これは好みです。概して硬い色鉛筆より、柔らかい色鉛筆の方が、
発色を強く感じます。


© Belta(Mayumi Wakabayashi)2021

左はポリクロモスで柔らかく描いています(36色セットではありません)
右はホルベイン 36色セットで、紙の目を埋めるくらい強く塗っています。
ですので、単純な比較にはならないのですが。

ホルベインはややマット、
ポリクロモスはやや透明な感じ。

ヨーロッパの色鉛筆は少しシックな発色をする傾向にあるようです。

4.色数について

たくさん色数を持つ方が複雑な発色をしますが、
初心者の方が、いきなり100色くらいを持つと、
色選びに苦労します。

オススメとしては、36色セットを使ってみて、
「あったらいいな」と思う色を買い足す方が良いでしょう。

メーカーは統一しなくても大丈夫です。

いきなり150色買った場合も、
まずは36色セットに入っている色だけ使ってみてください。

使っていくうちに「こんな色が欲しい」と思った色を使うようにします。

「使いこなせる色を少しずつ増やす」のが私の使い方です。


5.色構成について

ホルベイン、ポリクロモス、ヴァンゴッホの36色セットのデータで比較します。

・ホルベイン
後発で画材メーカーということもあり、
36色セットの色構成はとても使いやすくできています。

ピンク、黄緑、グレーはクール系とウォーム系の両方があります。
欲を言えば、明るい紫やクール系の水色、サップグリーン系があるとさらにヨシ。
でも、36色セットだけでかなりのものが描けます。

教室ではホルベインの36色セットだけで10年描いていらっしゃる方も。

ちなみに50色セットは、ルミナンスが数色入っており、
50色全部が使いやすいわけでないです。
(ルミナンスはほぼ使いません)

ですので、36色をベースに買い足す方がオススメ。

・ポリクロモス
色構成としてはやや弱いです。
ピンク、グリーン、水色が足したいところです。

残念ながら60色セットでもそろいません。
やはり36色セット+あると良い色の組み合わせが良いかと思います。

買い足すと良い色はこちら↓をご覧ください。
【色鉛筆】ポリクロモス36色セットにこれをプラス

・ヴァンゴッホ
ヴァンダイクブラウンやターコイズなど
シックなすてきな色がそろっています。

残念ながら、ピンクがありません。

全60色セットの中にもないので、
他のメーカーからピンクを補充すると使いやすくなります。

おまけ。
色辞典はニュアンスのある色が多く、原色もきれいです。

長らくスカーレットやマゼンタがありませんでしたが、
数年前新色として発売されました。
それらを含めて選ばれた36色セットは使いやすいと思います。
ただし、直接試すチャンスがなく、色名だけでの判断です。

6.軸について

描きやすさ、持ちやすさを考慮すると、軸が太い方が楽です。

軸の太さは、太い順に

ダーウェント(8mm)
カランダッシュルミナンス(8mm)

ホルベイン(7.8mm 芯3.8mm)
ポリクロモス(7.6mm 芯3.8mm)

カリスマカラー(7.4mm)
ヴァン・ゴッホ(7.4mm)

軸、芯が太い方が芯が折れにくいです。
ただ、8mmに対応している鉛筆削り、エクステンダーは少ないです。

軸が細いものは、軸の中で芯が折れることが、太軸のものより多いように思います。

8mmも削れる鉛筆削り。

 

7.おまけのおまけ

それにしても、三菱ペリシアの廃盤は残念でした。
36色までしかありませんでしたが、厚みのある美しい色でしたね。
私も手元にある数色を大切に大切に使っていこうと思っています。

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