2枚の絵をご覧ください。
両方とも同一人物の肖像画です。
モデルは、レカミエ夫人。
1800年頃、パリの政治、文学サロンの
花形だった女性です。
当代一と言われた美貌で、
ナポレオンもトリコだったとか。
今回、見ていただきたいのはその衣装です。
白いゆったりとした服は、
夜着でも下着でもなく、立派なドレスなのです。
当時は、
フランス革命後、ナポレオンが台頭してきた時代です。
時代の気分は、
革命前のけばけばしい装飾(下図)から、
簡素でシンプルなギリシャ風のドレス、素足へ
移っていったのでしょうね。
ところが、
若い女性が冬でもこのスタイルをするものですから、
チュイルリー公演では痴漢が横行し、
肺炎、インフルエンザで命を落とした女性は数知れず、
だといいます。
命がけのファッションだったんですね。
いつの時代もファッションは行き過ぎるところまで、
行ってしまうものなのでしょうか。
以上、出典は
「名画とファッション」より。
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